よむベトナムトレンド ベトナムにおけるソーシャルコマースの成長と商機

ソーシャルコマース(S-EC)はオンラインショッピングの進化形として登場した。Research & Market(米国の市場調査会社)のレポート(2022年5月)によると、ベトナムのS-EC市場は2022年に約22億USDとなり[1]、約65%の企業がS-ECを利用している

2024年9月11日

B&Company

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*このコラムでは「“ベトナム情勢概況“B&Companyの若手研究者たちは、ベトナムの産業動向、消費動向、社会運動に関するタイムリーな情報を提供する予定です。.

原文情報の正確性を確保するよう努めておりますが、各情報については個別にご確認ください。解釈および将来展望は、各研究者の個人的な見解です。.

ソーシャルコマース(S-EC)の進化

ソーシャルコマース(S-EC)はオンラインショッピングの進化形として登場した。Research & Market(米国の市場調査会社)のレポート(2022年5月)によると、ベトナムのS-EC市場は2022年に約22億USDとなり[1]、約65%の企業がS-ECを利用している[2]。

S-ECを利用している企業の割合(%)(100%=6,879社)

Proportion of businesses conducting business through social media

出典:VECOM(ベトナムEC協会)

人気のECプラットフォーム(%:2023年)



Leading online shopping platforms among consumers in Vietnam

出典:IDEA(ベトナム電子商取引デジタル経済庁)

IDEA(ベトナム電子商取引デジタル経済庁)のレポート(2023年7月)によると、「ソーシャルメディア」は好きなオンラインショッピングチャネルの2位で約55%が利用している。1位の「EC」(約61%)とは肉薄し、3位の「企業Webサイト」(約34%)とは大きく引き離している。また、好きなオンラインショッピングプラットフォームではソーシャルメディアの「TikTok」(約34%)が3位だった。

Decision Lab(ベトナムの市場調査会社)のレポート(2022年3月)によると、S-ECチャネルで人気な商品群は「ファッション」(約61%)、「化粧品」(約43%)[3]。これはソーシャルメディアの視覚と流行への訴求の相乗効果によるものと考えられ、最新の必需品に対する消費者の需要が継続的に増加している。

ソーシャルコマース(S-EC)の推進力

S-ECはベトナムで有望なビジネスモデルと考えられている。IDEA(ベトナム電子商取引デジタル経済庁)のレポート(2023年7月)によると、消費者向けEC市場は2017年から2023年にかけて年平均約22%で成長し、2023年には約205億USDとなった[4]。

消費者向けEC市場規模(十億USD) (2017-2023)

Revenue of B2C e-commerce in Vietnam

出典:IDEA(ベトナム電子商取引デジタル経済庁)

ソーシャルメディアの利用者数は約7,000万人と人口の約71%を占める(2023年1月時点)[5]。購入前にソーシャルメディアで商品レビューを確認するのが好まれている。IDEA(ベトナム電子商取引デジタル経済庁)のレポート(2023年7月)によると、オンラインショッピング利用者の約52%が購入時にソーシャルメディアのコメントや評価を参考にしている[6]。また、S-ECの1つであるライブストリーミングは買い手と売り手のやり取りが容易で買い手が商品を詳細に観察できることから購買行動に大きな影響を与えている[7]。Coc Coc(ベトナムの検索エンジン)のデータ(2024年1月)によると、約77%がライブストリーミングセールを視聴したことがあり、そのうち約71%が購入に至っている[8]。

ソーシャルコマース(S-EC)の機会、課題

S-ECの進化は市場での優位性を高める機会となる。

まずは、数百万人以上の利用者に対して認知度を高めることができ、利用者同士の共有や交流を通じてオーガニックリーチを生み出せる[9]。VECOM(ベトナムEC協会)のレポート(2023年4月)によると、Webサイトやモバイルアプリを保有する企業の約59%がソーシャルメディアを通じて宣伝している[10]。

企業の宣伝方法(%:2023年)



Leading online shopping platforms among consumers in Vietnam
出典: ベトナムEビジネス指数2023

次に、Instagram InsightsやFacebook Audience Insightsなどの分析ツールで広告効果を高めることができる。分析ツールで得られた視聴者データによりターゲットを絞ったインパクトのあるキャンペーン立案に繋げられる。

また、商品発見から価格比較、購入までのショッピングジャーニーを集約して意思決定を早めることができる。メッセージング、チャットボットなどを通じて詳細な商品情報やガイダンスへのアクセスが容易になり、双方の関係強化に繋がる。顧客のフィードバックをタイムリーに収集することでアクション改善にも繋がる。

一方、課題もある。

参入障壁が比較的低く高度な競争力が求められる。その競争は企業間だけでなく、個人の販売者間でも激しい。

個人情報保護法、例えば政令52/2013/ND-CP、政令13/2022/ND-CP、個人情報保護法、サイバーセキュリティ罰則に関する政令案などは、以下の理由からソーシャルコマースモデルにとって課題とみなされています。第一に、オンラインショッピングやサービスを利用する消費者の増加に伴い、個人データ処理の複雑かつ多様な性質から、コンプライアンスの遵守が課題となる可能性があります。例えば、ユーザーベースが大きい場合、72時間以内に消費者の個人データ削除要求に迅速に対応することは困難であり、対応の遅延につながる可能性があります。しかし、コンプライアンス違反は行政罰につながる可能性があります。コンプライアンスコストは、特に市場の小規模事業者にとって増加する可能性があります。さらに、これらの規則は顧客データの使用に厳しい要件を課す可能性があり、eコマースの成功に不可欠なターゲティングやパーソナライゼーション機能に影響を与える可能性があります。.

消費者の観点では、虚偽・誇大広告が常に問題となっている。Decision Lab(ベトナムの市場調査会社)のレポート(2022年3月)によると、S-ECのネガティブな体験について約60%が「商品が広告イメージと一致しない」と回答。それを忌避する人はファミリーストア(約75%)や実店舗のあるオンラインショップ(約48%)などを選択している[11]。

今後の展望

Research & Marketのレポート(2022年5月)によると、2024年のS-EC市場は約45億USD、2024年から2029年にかけて年平均約31%で成長する見込み[12]。企業は消費者に魅力的でパーソナライズされた購入体験を実現できるライブストリーミング機能の導入を検討すべきと考えられる。ライブストリーミングコンテンツ内でKOLによるレビュー、ガイダンスを活用していく企業が優位に立てるのではないだろうか。

要約すると、ベトナムの活気あるデジタル経済において、ソーシャルコマースの発展は、このダイナミックな市場で成功するための数多くの機会への道筋と見なされています。したがって、EC事業者は、進化し続けるソーシャルコマースの状況とその新しいツールを迅速に研究し、適応していく必要があります。.


[1] Decision Lab(ベトナムの市場調査会社)のレポート「The State of Social Commerce & Live-streaming in Vietnam」(2022年3月)

[12] Research & Market(米国の市場調査会社)のレポート「Vietnam Social Commerce Market Intelligence Databook 2022」(2022年5月)評価>

[2] VECOM(ベトナムEC協会)のレポート「Vietnam E-Business Index 2023」(2023年4月)評価>.

[3] VECOM(ベトナムEC協会)のレポート「Vietnam E-Business Index 2023」(2023年4月)評価>

[4] IDEA(ベトナム電子商取引デジタル経済庁)のレポート「Vietnam E-commerce White Book in 2023」(2023年7月)評価>

[5] VNETWORK(ベトナムの通信プロバイダー)のレポート「Internet Vietnam 2023」(2023年10月)評価>

[6] IDEA(ベトナム電子商取引デジタル経済庁)のレポート「Vietnam E-commerce White Book in 2023」(2023年7月)評価>

[7] Doanh Nghiep Hoi Nhap(ベトナム中小企業協会の機関紙)のレポート「Vietnam’s Live-stream Market Witnesses a Sharp Increase」(2024年4月)評価>

[8] Coc Coc(ベトナムの検索エンジン)のレポート「Emerging trends for Vietnamese consumers in 2023」(2024年1月)

[9] オーガニックリーチ:リーチのうち、有料広告によるリーチを除いたソーシャルメディア上のコンテンツを閲覧した人の数評価>.

[10] VECOM(ベトナムEC協会)のレポート「Vietnam E-Business Index 2023」(2023年4月)評価>

[11] Decision Lab(ベトナムの市場調査会社)のレポート「The State of Social Commerce & Live-streaming in Vietnam」(2022年3月)

[12] Research & Market(米国の市場調査会社)のレポート「Vietnam Social Commerce Market Intelligence Databook 2022」(2022年5月)評価>

 

B&Company, Inc.

2008年よりベトナムで市場調査を専門とする初の日本企業として、業界レポート、業界インタビュー、消費者調査、ビジネスマッチングなど、幅広いサービスを提供しています。さらに、ベトナム国内の90万社以上の企業を網羅したデータベースを構築し、パートナー企業の探索や市場分析にご活用いただけるようになりました。.

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