ベトナムの高齢者向けヘルスケア産業にビジネスチャンス

ベトナムの人口は1億人を超えたとみられている[2]。東南アジアではインドネシア、フィリピンに次ぐ3番目、世界で15番目に人口が多い国である
Elderly healthcare

2024年10月8日

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高まる高齢者ヘルスケアの重要性[1]

ベトナムの人口は1億人を超えたとみられている[2]。東南アジアではインドネシア、フィリピンに次ぐ3番目、世界で15番目に人口が多い国である[3]。国際連合人口基金(United Nations Population Fund)はベトナムが2036年までに高齢化社会から高齢社会に移行すると予測するなど、世界で最も急速に高齢化が進行している国の1つである[4]。ベトナム統計総局(GSO)の人口統計(2023年12月)をみると、60歳以上の高齢者の割合は2019年の約12%から2023年には約14%へと急速に上昇している[5]。このような人口動態の変化、急速な高齢化は「死亡率の低下」、「平均余命の上昇」、「出生率の急激な低下」などが要因である。

【図1】高齢者人口(万人

ベトナム設立 2019 2020 2021 2022 2023
高齢者の数 1140万 1160万 1,260万 1180万 1,390万

資料:ベトナム統計総局(GSO)

【図2】粗出生率、粗死亡率(千人当たり)

【図3】出生時平均余命(年)

Average Life Expectancy at Birth

資料:ベトナム統計総局(GSO)

これは、慢性疾患管理、長期介護、メンタルヘルス支援など、高齢者特有のニーズに対応できる医療制度が喫緊に必要であることを示している。高齢者が適切なケアを受けられるようにすることは、生活の質の向上に不可欠であるだけでなく、国の医療制度の持続可能性を維持するためにも極めて重要である。.

高齢者ヘルスケアの現状

ベトナムの高齢者ヘルスケアは多くの課題があるが、特に「専門介護者の不足」、「経済的な困窮」、「施設の利便性」が問題となっている。

<専門介護者の不足>

ベトナムの家族構成は伝統的に複合家族世帯(祖父母、両親、子どもの3世代同居)である。これまで高齢者は家族と一緒に暮らしながら世話を受けていたが、現在では経済発展、国際化によるライフスタイルの変化などの影響により複合家族世帯が減少しつつある。今後、成長した子どもたちが自分の生活空間を求めて年老いた親のもとを離れていくことにより、核家族化が進行するとともに、外部のヘルパーへの依頼が増加すると考えられる。介護人材の不足に直面すると、専門的な訓練を受けていない人材が対応するなど質の低下も懸念される。

Ho Chi Minh City Institute for Development Studies(ホーチミン市開発研究所)の文化社会研究部長によると、ホーチミン市では施設介護を利用している高齢者は約0.5%と少なく、その多くは身寄りのない単身者や政府の援助を受けている層である。残りの約99.5%の高齢者は自宅で介護を受けている[6]。

<経済的な困窮>

多くの高齢者が限られた年金や保険に依存している。必要な時に適切な医療を受けるためには経済的な支援が不十分である。

<施設の利便性>

特に農村部では多くの社会インフラが高齢者に十分に対応できていない。例えば、車椅子の高齢者にとってはコミュニティ内での移動が困難な場合がままある。高齢者医療制度の対応も不十分である。定期収入を得ることが困難な僻地では定期健康診断が受けられず、進行した段階で疾病診断を受ける高齢者が多く、治療が困難かつ高額になっている[7]。高齢化社会に対応した各種資源の確保と支援体制の改善が求められる。

高齢者ケア事業に対する政府支援

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