2025年11月3日
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ベトナムにおける日本企業の存在感が一段と高まっている。B&Companyの調査によると、2023年時点で国内に約108万社のアクティブ企業が存在し、このうち約2万社が外資系(FDI)企業だ。FDI企業は全体の約2%に過ぎないが、国内総純収入の28%を生み出す経済の牽引役でもある。国別では韓国企業が約5,500社で最多、日本は約2位、中国がそれに続く。
投資国別に見た外資企業構成比(%:2023年)
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出典: B&Company
コロナ禍を経ても進出拡大、日系は二極集中
コロナ禍の停滞期を挟んでも、日系企業の進出数は2019~2023年にかけて着実に増加した。背景には、国内需要依存からの脱却を図る日本企業が、ベトナムを「成長市場」として位置づけ直した動きがある。
地域別にみると、進出は北部のハノイ市・ビンフック省・タインホア省と南部のホーチミン市・ビンズン省・ドンナイ省に集中する。いずれも交通インフラや港湾設備の整備が進み、輸出拠点としての利便性が高い地域だ。製造業のほか、物流・小売・IT関連の集積も進む。
ベトナム進出日系企業の推移(社)
出典: B&Company
日系企業のベトナム進出地域(社:2023年)
出典: B&Company
大型投資では韓国に遅れ、日本は「分散投資型」
一方で、大型投資案件の規模では韓国勢が一歩先行する。2005年以降の累計では、韓国企業が製造業を中心に10億USD規模の工場投資を複数実施。これに対し、日本企業の投資は製造業、金融、不動産、小売など分野横断的で分散的な傾向を示す。
この違いは、戦略の差に起因する。日本企業はASEAN全体を視野にリスクを分散させる投資を志向する一方、韓国はベトナムを「戦略的中核拠点」として資本を集中投下。結果として、産業クラスター形成のスピードに差が出ている。
日 → 越・累計投資額(百億円:2005年~2023年)
出典: B&Company
新たな潮流、半導体・再エネ・DXで深化する日越連携
もっとも、日越間の経済パートナーシップは年々強化されている。政府間の協力枠組みを背景に、今後は半導体、デジタルトランスフォーメーション(DX)、再生可能エネルギーなど新分野で日本企業の動きが加速する見通しだ。
日本企業にとってベトナムは、もはや単なる「低コストの製造拠点」ではない。次世代産業を展開する戦略拠点としての重要性が増している。域内サプライチェーンの再構築が進む中、日系企業の役割は量から質へと転換期を迎えている。
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| B&Company株式会社
2008年に設立され、ベトナムにおける日系初の本格的な市場調査サービス企業として、業界レポート、業界インタビュー、消費者調査、ビジネスマッチングなど幅広いサービスを提供してきました。また最近では90万社を超える在ベトナム企業のデータベースを整備し、企業のパートナー探索や市場分析に活用しています。 お気軽にお問い合わせください info@b-company.jp + (84) 28 3910 3913 |


