日本に近づくベトナム経済規模の「伸び」

2010年、ベトナムのGDPは日本の38分の1でした。2020年には約14倍、2022年には12倍に近づくと予想されています。今回は「成長」という観点で比較することにしました。企業が今後の活動を考える上で、「いかに新たな需要を創出するか」の方が重要になることが多いからです。

2024年4月15日

B&Company

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2010 年のベトナムのGDP は日本の 38 分の 1 だっ た。これが 2020 年には約 14 倍、2022 年には約 12倍まで近づいてきている。今回これを「伸び」で比べてみることにした。企業が将来の活動を考える 際、「新たにどのくらいの需要が生まれるのか」ということの方が大事なことも多いからである。

実質 GDP を見ると、2010 年から 2022 年にかけてベトナムは毎年変動があるものの着実に伸びているのに対して日本はより凹凸が大きい。コロナ禍に加 え、円安が進行した 2020 年など USD ベースで 3 回マイナスとなっている。その結果、12 年間で日本の伸びは約 4,990 億 USD に対してベトナムは約 2,960億 USD で日本の約 60%、「伸び」で見ると同じ桁となる。この GDP の「伸び」のうち約 23%が FDI 企業によるものだった。企業の外国投資は付加価値を目指して行うものではないが、企業活動の移転に関して一定の成果を表していると言えるだろう。

さて、進出済みの日本企業の数は約 2,900 社で日本企 業の千社に 1 社程度である。その売上を国内企業と 比較すると、平均は約 5 倍である。進出の苦労・リスクがあり、他国からの進出企業との競争など熾烈である場合も多いが、日本に留まるよりも果実は大きかったと捉えられる場合も多い。

同じような「伸び」の比較は国民所得や小売業の売上などで行うこともできる。ここでは国民所得についての結果を示す。日本の「伸び」はまだベトナムの約 3 倍とまだ比較的大きかった。

次に自治体単位である。東京都は大き過ぎるため、他の都道府県とベトナムの 2 大都市を比べた。いくつか確認した中で九州、東北を代表する福岡県、宮城県の例を示す。ハノイ市、ホーチミン市とその周辺を含む経済圏の成長力の大きさが確認された。日本では宮城県に勢いがあったが、ベトナムの各省市の「伸び」が上回った。(以降のグラフでは年ごとの内訳は調略している。)

最後に産業別を見てみよう。もちろん、国により分類の線引きは同じではないため、目安ということになる。

農業は日本が伸びていないため、「伸び」ではなく全体値でも逆転しそうである。製造業、流通業も日本の方が何倍も大きいということはなく同じ桁であ る。もはや超大企業を除く日本企業にとってベトナムは「小さすぎる」とは言えなくなってきた。

ベトナムのGDP – B&Company 

続きは、以下をご参照ください。

 

株式会社ビーアンドカンパニー

2008年に設立され、ベトナムにおける日系初の本格的な市場調査サービス企業として、業界レポート、業界インタビュー、消費者調査、ビジネスマッチングなど幅広いサービスを提供してきました。また最近では90万社を超える在ベトナム企業のデータベースを整備し、企業のパートナー探索や市場分析に活用しています。

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