ごみから資源へ:ベトナムの廃棄物発電革命

12 8月 2024

By: B&Company

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*この記事は、B&Companyの若手研究者によるコラム「若手研究者執筆」に掲載されました。このコラムには、ベトナムの新興産業、消費者動向、ベトナムの社会経済の概要情報を提供する短い記事が含まれています。

**注:英語版からの自動翻訳


はじめに

急速な経済成長と都市化に伴い、ベトナムは廃棄物管理の問題に対処し、増大するエネルギー需要を満たすための持続可能な解決策として、廃棄物発電(WtE)技術の潜在的可能性を認識しました。B&Companyは、新興トレンド、日本の投資に重点を置いた注目すべきプロジェクト、そしてこの分野の将来の見通しを含め、ベトナムのWtE市場の現状を探るために分析を行いました。

ベトナムにおける廃棄物発電の台頭

ベトナムは現在、限られた廃棄物管理と処理の実践により、世界で最も廃棄物発生量の多い上位20カ国の1つです 。2024年の推定によると、ベトナムの廃棄物の70% 以上が主に埋め立てによって処分され、エネルギー回収のために焼却されるのはわずか13%です。しかし、この目的に利用可能な土地が継続的に減少しているため、埋め立て方法はますます困難になっています。この状況を踏まえ、廃棄物発電は経済的利益をもたらすだけでなく、環境にも大きなプラスの貢献をする解決策と考えられており、多くの企業や投資家にとって機会を創出しています。

ベトナムにおける埋立処理の例、出典:PhapluatVietnam 

WtEの発展に好ましい環境を作り出す、多くの政府支援政策やインセンティブが存在します。「2021-2030年期のグリーン成長のための国家戦略(2050年までのビジョン)」は、温室効果ガスの排出を削減し、循環経済を促進するために、WtEを含む緑のエネルギー源の開発を強調しています。さらに、「2030年までの再生可能エネルギー開発戦略(2050年までのビジョン)」は、国のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギー(WtEを含む)のシェア増加の目標を設定しています。加えて、ベトナムの大きな人口と急速な都市化を考えると、大量の廃棄物が発生し、WtEプラントに安定した原料を提供することになります。

しかし、ベトナムでのWtEプラントの建設にはいくつかの課題もあります。WtE技術の比較的新しい性質とハイテク応用の要求により、企業からの大きな資本投資が必要です。また、企業はWtEプロジェクトを電力セクターの計画に結びつける規制など、政策的障壁に直面しており、承認を待つ必要があるため遅延が生じています。投資家はさらに、特に官民パートナーシップにおいて複雑で長期にわたる手続きに苦労しており、投資家選定プロセスに1-2年かかり、その後さまざまな建設承認が続きます。プロジェクトの実施は、さまざまな省庁からの複数の承認要件と、電力開発計画を妨げる計画法の具体的なガイドラインの欠如によってさらに遅延しています。

注目すべきプロジェクトと日本の投資

近年、ベトナムのWtE市場は勢いを増しており、全国で複数のプロジェクトが開発中です。環境汚染管理局(2023年)の報告によると、ベトナムには現在15の WtEプラントが建設中で、そのうちいくつかはすでに発電を開始しています。例えば、カントー市にあるEB環境エネルギー社の廃棄物処理プラント(処理能力400トン/日)や、ハノイにあるソクソン廃棄物発電プラント(処理能力4,000トン/日)などがあります。

ソクソン廃棄物発電プラント、出典:VNA

これらは日本の投資を受けたプロジェクトでもあります。カントーWtEプラントは、日本国際協力機構(JICA)の財政支援と日立造船の技術的専門知識により建設されました。同様に、東南アジアとベトナムで最大級のWtE施設の一つであるハノイWtEプラントは、日本の住友商事の投資により開発されました。日本以外にも、韓国もこの分野に投資しており、特筆すべきは、グリーンスター環境株式会社と朝鮮耐火ENG韓国による都市固形廃棄物・産業廃棄物発電(GCEP)プラント(処理能力500トン/日)、そしてBCGエナジー、SKエコプラント(韓国SKグループの子会社)、SLC(韓国・首都圏埋立地管理公社)の協力によるロンアン省とキエンザン省での廃棄物発電プロジェクトです。

ベトナムにおけるWtEの展望

ベトナムのWtE市場の将来の見通しは、持続可能な廃棄物管理とクリーンエネルギー開発に対する政府のコミットメントに促進され、有望です。都市化と電力消費の増加に伴い、WtEのようなクリーンエネルギー技術は、増大する需要を満たすための重要な解決策の一つです。さらに、プロジェクト数がまだ限られており、需要が依然として非常に高い中、日本にはWtEプロジェクトへの投資の余地が大いにあります。特に、グリーン転換とグリーンエネルギーへの移行に対する注目と優先順位が高まっている状況において、これは顕著です。

 

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