検索の衰退― “弊社サイト訪問者の7人に1人がAIに”

その結果、訪問者の大半はベトナム国内からの訪問者、次いで日本からの訪問者、そして残りの20%は世界各国からの訪問者となっています。ここで論じたAIの影響は世界的な潮流を反映しており、ベトナムが日本よりも先行している可能性が高いと考えられます。
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2025年4月29日

B&Company

最新ニュースとレポート / ベトナムブリーフィング

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B&Companyは、2008年に設立され、ベトナムにおける日系初の本格的な市場調査サービス企業として、業界レポート、業界インタビュー、消費者調査、ビジネスマッチングなど幅広いサービスを提供してきました。お気軽にお問い合わせください。

弊社B&Companyはベトナム事業の支援を主な領域としており、AIについて語るのはふさわしくない。しかし、本記事は時節柄参考になるのではと考え、発表することとしたい。通常の当サイト記事とは異なるスタイルとなるが、ご容赦いただきたい

サイト概要

当社B&Companyは、日本など海外とベトナムの間の架け橋として、進出などの事業支援を行っている。このため、ベトナム関連の経済記事の充実を図ってきた。

「.jp」で終わる日本ドメインであるがサーバーはベトナム国内にあり、日本語・英語・ベトナム語の3言語で自動翻訳も使いながら、言語を跨いで同じ内容を発信してきた(1か月前に中国語、韓国語を追加)。

その結果、訪問者はベトナム国内が最も多く、日本が2番目、残りの2割ほどは世界に幅広く分布している。今回取り上げたAIの影響は世界の傾向を映しており、日本より先行している可能性が高い。

流入元データの概要:Google vs AI

最新のアクセス分析からは、「AIの訪問」増加が顕著に見られる。

以下のグラフは、の直近1ヶ月(4月27日まで)の当社サイト流入元である(ほとんどないが広告は除いている)。

過去30日間のB&Companyユーザー数(ソース別)(3月29日~4月27日)


過去30日間のB&Companyユーザー数(ソース別)(3月29日~4月27日)

Googleが最も多く約6割を占める。GOOGLE検索の結果、弊社記事が引っかかり訪問して頂いているのが大半であることがわかる。ありがたいことに、直接流入が2位で15%ほどある。一方驚いたのは、3位にChatGPTが入ったのをはじめ、7位までのうち3つがAI関連(ChatGPT・Perplexity・Gemini)となったことである。当社のマーケティング部門では数か月前にこの動きを発見したのだが、以来注目してきた。

なぜAIによる流入が増えるのか?

具体的な「AI訪問」のルーとしては2つが考えられる。

1.「AIによる事前学習」

情報探索者(エンドにいる人間)は、AIが事前学習した結果を使って生成した回答を見る。例えば、弊社がベトナムの教育業界に関する記事を載せていたとして、AIはあらかじめその記事を「読んで」いる。情報探索者が「ベトナムの習いごと事情を教えて」などと質問すると、AIは他の情報と併せ、答えを生成する。

2.「質問ごとのAIによるリアルタイム検索」

「ベトナムの習いごと事情を教えて」と聞かれたAIがネットの検索を行い、あらかじめ知っている知識と併せ、答えを生成。

どちらが多いかというと、おそらく1.だろう。もちろん、1.と2.が併せて行われ回答が生成される場合もある。

しかし、ここで問題になるのはいずれの場合も、質問者があえてクリックし弊社サイトを訪問するかというと、しないだろうということである。

「習いごと事情」がわかれば目的は達成されるからである。これは今世間を騒がせている「ゼロクリック」現象―検索結果を見るだけで終わり、個別のサイトを訪れないーそのものである。

例外として、「ベトナムの市場調査会社を探して」などであれば、弊社をクリックして訪問してくれるケースも残るのではと思う。知りたいのは「会社」だからである。しかし全体としては弊社を訪れる主要な訪問者としては「AIが残るだけ」、となってもおかしくない。

3か月前に伸びが中断

次のグラフは時系列に見たものである。

過去8ヶ月間のB&Companyユーザーの割合(ソース別)


過去8ヶ月間のB&Companyユーザーの割合(ソース別)

過去8か月を見ると、昨年秋から冬にかけてAIによる流入比率が上がりはじめ、今年1月には急伸している。そのまま続けば、1−2年でAIが従来検索を凌ぐ勢いであった。

一方、1月以降、ブレーキがかかった。2本のグラフは現在にかけて、いずれも横ばいである。

原因はわからないが、去年の半ば以降、Googleが各国版検索で「AI要約」を表示し始めたことが関係あるかも知れない。AIをまだ使っていなかったマジョリティは、Google検索を使い続けるだけでAIの恩恵を受けられる。

そうだとして、AIへの流れが止まったことになるのか。Googleの名の下であっても、「AI要約」を見ただけでクリックをしない「ゼロクリック」になるのであれば、AI移行と同じことである。そう考えると検索からAIへの移行は、明確な時期はともかくとして、避けられない流れと言えるだろう。

おわりに

本記事は下記のNEWSPICKSの記事を受け、急いで書こうと思い立った。

https://newspicks.com/news/14118689/body/

サイト流入分析はどの会社でもすぐできるし、していると思う。しかし具体的な1企業の情報はあまり公表されているものはないので、今出せば面白いと思ってくれる人がいるのではと考えた。

ひいては弊社サイトへの流入増につながるのではと、愚考した次第である。

 

サイト概要

2008年に設立され、ベトナムにおける日系初の本格的な市場調査サービス企業として、業界レポート、業界インタビュー、消費者調査、ビジネスマッチングなど幅広いサービスを提供してきました。また最近では90万社を超える在ベトナム企業のデータベースを整備し、企業のパートナー探索や市場分析に活用しています。

お気軽にお問い合わせください

info@b-company.jp + (84) 28 3910 3913

 

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