2025年12月31日
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2025年11月25日、第1回ベトナム・日本地方協力フォーラムが、クアンニン省ハロン市において「包括的発展に伴走し、持続可能な未来を形づくる」をテーマに開催された。本フォーラムは、ベトナム外務省、クアンニン省人民委員会、在ベトナム日本国大使館の共催により実施された。B&Companyからは代表の太田と顧問の築野が日越関西友好協会の立場で参加、関係者と交流を深めた。公開情報と現場の様子を含めて概要を報告したい。
フォーラム概要:ベトナムと日本の地方間協力
本フォーラムには、両国の中央政府・地方政府の幹部、外交代表、経済団体、ならびに多数の企業が参加した。ファム・ミン・チン首相、外務省などベトナム側の関係省庁・省市の代表、伊藤直樹在ベトナム日本国大使に加え、山本一太群馬県知事や数人の副知事を含む日本の19の地方自治体代表団など、約800名が出席した。
背景として、ベトナムと日本の地方自治体の間ではすでに110件を超える協力合意が締結されており、これは今後の実行段階をさらに深化させるための強固な基盤となっている。
会合では、日本の地方自治体の首長らが、ベトナムとの協力に対する強い関心を改めて表明した。参加者からは、今後の二国間協力を一層強化し、地方レベルの連携を深化させるための実務的提案も示された。ハイテク農業、水素、観光、文化、見本市・展示会、航空、環境ソリューション、半導体、ベトナム人材の受入れなどの分野が重点領域として挙げられた。
ファム・ミン・チン首相と日本の地方自治体代表者の会合

出典: バオチンプ
ファム・ミン・チン首相は、地方レベルの協力がベトナム・日本の友好関係・パートナーシップを支える、最も重要で特色ある柱の一つであると強調した。ベトナム政府は、これを実務的かつ効果的な協力チャネルとして一貫して位置づけており、二国間関係全体の発展に寄与するものと評価している。すなわち、本フォーラムは単なるハイレベルの対話の場にとどまらず、地方の強みと企業のニーズを具体的なプロジェクトへと転換するための仕組みでもある、ということである。
会場/日程
第1回ベトナム・日本地方協力フォーラムは、チン首相にゆかりのあるクアンニン省のハロン湾で行われた(チン首相は2011~15年同省書記の間、省の投資環境改善やグリーン成長政策を推進)。会場となったFLCグループの5つ星ホテルは海岸沿いではないが、ハロン湾の絶景に面している。前日までの工業団地視察等を経て、主な日程は11月25日で、朝から晩まで多数の会議が行われた。
ホテルからの眺望
出典: B&Company
11月25日 プログラム概要
| 時間 | イベント | 概要 | 協議内容等 |
| 07:05-08:55 | 歓迎 | 首相は、山本一太群馬県知事、武部勤日越友好議連特別顧問、日本の地方代表団を歓迎。
山梨県、新潟県、徳島県、大阪府、島根県、広島県、宮城県、和歌山県など各自治体代表が、それぞれの地域を紹介するとともに、日本の地方自治体とベトナムとの地方間協力への意欲を表明。 |
首相は、日本側に対し、8分野において協力を強化するよう呼びかけた。
(1)締結済み合意の効果的な実施、 (2)ハイレベル交流の拡大、 (3)双方向投資の促進、 (4)技術移転と結び付いた企業間協力の促進、 (5)人材育成、 (6)在日ベトナム人コミュニティへの支援、 (7)人的往来・観光の活性化、 (8)科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーション、グリーン成長分野における協力の推進 |
| 09:00-09:45 | 開会式 | 開会挨拶(クアンニン省書記、外務大臣、日本国首相(代読)、駐ベトナム日本国大使、ベトナム政府首相) | 両政府は、今後も緊密に連携し、地方レベルの協力を一層深化させていくことを改めて確認した |
| 09:50-11:00 | 全体討議 | 外務省副大臣、日本の地方自治体(群馬県、新潟県、山梨県)、ベトナムの地方自治体(ザライ省、フート省、ハイフォン市)の各代表による発表。内容は、
(1)ベトナム・日本の地方間協力における成果・協力結果の総括的評価、 (2)両国の地方協力を促進するための方向性と政策、 (3)代表的な地方の成功事例に基づく経験・成功モデルの共有 |
|
| 11:00-11:30 | 個別会合 | 政府・企業間面談(G2G、G2B、B2B) | 政府・企業双方において、約100件に及ぶ作業会合が行われた |
| 13:15-16:15 | 4分科会
(第1・第2・第3・第4は並行開催) |
分科会1:
貿易・投資-高付加価値農業-人材 ・登壇者:愛媛県、山梨県、タインホア省、ヴィンロン省など · 討議内容: (2)高付加価値農業、デジタル経済、金融、スマートサプライチェーン、高度人材の共同育成モデルに関する、自治体間の交流・経験共有 ・協力文書の調印式 分科会2: 文化-観光-人的交流 登壇者:徳島県、大阪府、日越関西友好協会、ダクラク省、フエ市。 · 討議内容: (3)地方自治体・関係者の役割、ならびに遺産を活かした持続可能な観光に関する教訓、 (4)相互理解と絆を深めるための新たな取組提案 ・相互理解と絆を深めるための新たな取組提案 分科会3: 地方発イノベーション-価値高度化-デジタルの未来 ・登壇者:群馬県、愛知県、長野県、バクニン省、ダナン市など · 討議内容: (2)ハイテク・イノベーション分野における日越協力の概況、 (3)ハイテク・イノベーション分野における日越協力の概況、 (4)地域の強みと投資ニーズに即した重点分野(デジタルトランスフォーメーション、AI、モバイルインフラ、半導体)における経験共有と協力可能性 分科会4: 強靭性の強化とスマートな気候適応 ・登壇者:山梨県、滋賀県、カントー市、ゲアン省など · 討議内容: (2)政府の政策・プログラム・支援ツール、 (3)地方における気候影響と、持続可能な都市インフラ、スマート農業、防災体制強化に向けた協力ニーズ、 (4)地方の気候ソリューション実装から得られた先進技術と教訓(山梨県の「グリーン水素」技術、滋賀県の「びわ湖モデル」(ハロン湾水質改善)によるベトナム地方省との協力) |
参加者は、ベトナムと日本の地方協力における最近の成果を振り返り、それぞれの地域の強みと投資ニーズに沿った主要分野における実施経験と協力の可能性を共有し、地方レベルでの二国間協力の将来の方向性について提言を行った。 |
| 16:30-18:30 | 個別会合 | 政府・企業間面談(G2G、G2B、B2B) | 11時と同じ |
| 18:30-20:00 | レセプション | – |
個別セッション
弊社太田と築野の出席した範囲で紹介する。
フォーラムでの津野
出典: B&Company
□ファム・ミン・チン首相と日本自治体代表の意見交換会
全体会合に先立ち小会議室で実施された。ベトナム首相は冒頭挨拶の他、数回にわたり発言した。
「このような会合を毎年、できれば日越交互で開催したい。外務省主導から各地主体へ展開していきたい。成果を出すようにしてほしい。ハロン湾の「バイチャイ橋」も日本のODAでできた。ハロン大学に日本語学科を作ったが、日本文化センターに発展することを期待。」
以上のような発言があった。一方、日本側の出席者と相互開催について話してみると実際には日越の交互開催は難しく、ベトナム国内で展開していくのが現実的では、という意見が多かった。
日本側は、群馬県山本一太知事はその前の首相との個別会合があったためと思われるが冒頭では発言せず、他の自治体の副知事や局長数名など、山梨、新潟、徳島、大阪、広島、宮城、和歌山、各府県から順次発言となった。新潟からはスキーや佐渡金山の紹介、大阪からは万博へのお礼、山梨からはスマート農業のベトナム展開への提案、ブドウの輸出意欲などが触れられた。和歌山からは農業、観光、介護分野の人材が欲しいという要望があり12月にホーチミン市に企業ミッションを送ることが紹介された。そのほか、メインテーブル外だったが、弊社で確認できた日本側出席自治体は、北海道、長野、愛媛、滋賀、岡山、島根の各道県、神戸市などである。
フォーラムの内容
出典: B&Company
首相ファム・ミン・チン・日本の地方自治体の指導者らがフォーラムに出席
出典: グオイラオドン
その他のフォーラムシーン
ソースB&カンパニー
首相の後半の発言
日本の自治体代表との懇談での後半では、チン首相より改めて、本フォーラムが2025年8月の石破首相との約束を実現したものであること、前日の南アのG20で高市首相と2回目会ったばかりであること、トーラム書記長からも本フォーラムの成功を祈る伝言、などが述べられた。首相は日本との関係においては自治体チャネルを重要と考え、訪越代表団がある際には常に表敬訪問を受け入れてきた。さらに、上記表内記載の8つの目標が述べられた。
開会式
大会場で数百人が出席、まず伊藤大使が高市首相の挨拶を代読した。次いで大使自身の挨拶となった。
伊藤大使が高市首相の代読
出典: B&Company
次いで、チン首相の挨拶は30分にわたり、熱量のあるものだった。一部を書くと、
「GDPは今年8%台成長だが来年以降は二桁成長にする。スマート政府やスマートインフラを推進、港湾と交通の整備を進める。日越はお互いに足りないものを提供する。地域ごとに人と技術の交流を行っていく。」等であった。
チン首相の挨拶
出典: B&Company
最後には、「高市首相の「働いて、働いて、、、」に賛成である。ベトナムも「働いて、(5回)、共に働いて、(5回),やっていく」」と締めくくった。
また、武部氏からは1994年に渡部氏の鞄持ちとして最初にベトナムに来た思い出などが述べられた。
協力に関する文書の授与式
出典: B&Company
午後は4つの分科会が行われた。太田、築野は分担して全てに出席したが、特に分科会2:文化-観光-人的交流においては、築野が関西日越友好協会として発表とゴー・チン・ハー在大阪ベトナム総領事との間で協力覚書の調印を行った。発表では、日越間の心と心の触れ合う友好のため、文化・観光分野における市民レベルの交流が重要であることを述べつつ、関西・和歌山・世界遺産高野山の魅力を紹介。総領事館との協力覚書は、日越関西友好協会の創立30年を機に関西における協力関係を再確認したものであり、その重点は、1)関西各地の経験やノウハウ、強みを生かして双方の課題解決を図る、2)両国の発展、地域の活性化に有益な人材を育成する、3)文化・観光分野の協力を通じて相互理解に寄与することである。ディナーでは地元酒が特徴があり、弊社では土産として購入することで締めくくりとなった。
フォーラム参加者への記念品と独自で購入した地元酒
出典: B&Company
築野が代表となった協力協定の締結
出典:B&Company
カバー: バオチンプ
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| B&Company株式会社
2008年に設立され、ベトナムにおける日系初の本格的な市場調査サービス企業として、業界レポート、業界インタビュー、消費者調査、ビジネスマッチングなど幅広いサービスを提供してきました。また最近では90万社を超える在ベトナム企業のデータベースを整備し、企業のパートナー探索や市場分析に活用しています。 お気軽にお問い合わせください info@b-company.jp + (84) 28 3910 3913 |











