
2024年6月15日
業界レビュー / 最新ニュースとレポート
コメント: コメントはまだありません.
ベトナムの大きな資源「プラスチック廃棄物」
ベトナムはプラスチックの需要が大きく、年間約390万トンのプラスチック(PET、LDPE、HDPE、PP)が使用され、大量に廃棄されているが 、図1(2021年)に示すようにリサイクルされるのは約82万トン(約25%)と少なく、約245万トンが廃棄されている 。
【図 1】プラスチック廃棄物のリサイクル量(2021 年)
そのため、ベトナムのプラスチック廃棄物は十分に活用されていない経済資源と考えられている。十分に活用されていない理由には次のようなものがある。
1 つ目は「リサイクル施設が非効率」であること。主にインフォーマルセクター(工芸村など)で古い技術や設備のもとリサイクルされているが、その製品はローエンド市場向けとなり、また正規のリサイクル企業はほとんど地場企業で需要の約 30%(2021 年)しか処理できていない 3。ベトナム最大の処理能力を有する Lien Minhで年間約 7.5 万トン(2021 年)である 4。また業界上位 10 社のうち日本との合弁会社は QMT JP Plastic(同約 2.5 万トン)のみと日本からの投資も小さい。
2 つ目は「廃棄物の品質が低く、処理コストが高い」こと。国内の廃棄物は分別できておらず不純物が多く含まれているため、クリーンな輸入資源に比べて損失率(回収された廃棄物のうちリサイクルできないものの割合)が高い 5。Duy Tan Recycling(プラスチックリサイクル大手)の発言(2023 年 12 月)によると、欧州の損失率は 10~20%程度に過ぎないが、ベトナムは最大 40%近くになることがあるようだ 6。
3 つ目は「法的施策のガイドラインが不十分」であること。プラスチック廃棄物管理に関する近年の規制(リサイクル製品の基準や含有率の義務化など)は効果的な実施に向けた詳細なガイドラインが不十分なため、製造業者や輸入業者は効果的な回収ネットワークの構築に苦労している。
プラスチックリサイクル産業の将来性
プラスチックの需要が大きく、プラスチック廃棄物が多いことに加え、持続可能な開発のための「グリーン」トレンドを考えると、同市場は今後成長する可能性が高く 7、実際に 2024 年から 2032 年にかけて年平均約 7.6%で成長すると予測されている 8。
プラスチックの需要が大きく、プラスチック廃棄物が多いことに加え、持続可能な開発のための「グリーン」トレンドを考えると、同市場は今後成長する可能性が高く 7、実際に 2024 年から 2032 年にかけて年平均約 7.6%で成長すると予測されている 8。[10].
【図 2】EPR 規制のリサイクル率(2024~2026 年)[11]EPRによって規制されている
|
製品・包装 |
リサイクル率 |
1 |
硬質PET |
22% |
2 |
硬質HDPE、LDPE、PP、PS |
15% |
3 |
硬質 EPS、PVC |
10% |
4 |
その他の硬質プラスチック包装 |
10% |
5 |
単一素材の軟質プラスチック包装 |
10% |
6 |
複数素材の軟質プラスチック包装 |
10% |
7 |
|
10% |
出典:環境保護法の一部条項に関する細則(Degree No. 08/2022/ND-CP)
持続可能な開発という観点から、特にプラスチックに大きく依存する産業では再生プラスチックの需要が増加している。例えば、包装業界はより環境に優しい代替品を模索しており、再生プラスチックに注目している。 Coca-Cola(清涼飲料水)、Pepsi(同)、La Vie(ミネラルウォーター)、TH(乳製品)、Nutifood(同)などの大手ブランドは完全に再利用可能、リサイクル可能、または堆肥化可能な包装への移行を公約している。
近い将来、外国への輸出を目指す再生プラスチック製品はグリーン基準を満たさなければならなくなり、その材料の需要が急増すると予測される。例えば、EU の「使い捨てプラスチック指令」では EU は 2025 年までに包装用プラスチック材料の 50%を再生利用することを約束している 10。さらに、地域社会の意識が向上していることから廃棄物の分別と回収の問題も改❹されつつあ る。世界自然保護基金(WWF)のレポート(2022 年)によると、ベトナムは 2021 年時点で約 50%の世帯が廃棄物を分別しているが、2019 年の約 31%から大幅に増加している 11。[12].
「開発余地」、「グリーントレンド」、「政府目標」の掛け合わせにより、ベトナムのプラスチック廃棄物のリサイクル産業は今後も力強い成長を続けていくだろう。
[1] 出典:世界自然保護基金のレポート「ベトナムにおけるプラスチック 廃棄物のリサイクルを促進するための現状、解決策」(2022 年)
[2] 出典:Fiin Group のレポート「ベトナムにおけるプラスチックリサイ クル産業を促進するためのソリューション」(2022 年) <Assess>
[3] 出典:世界自然保護基金のレポート(同上)
[4] 出典:Fiin Group のレポート「ベトナムにおけるプラスチックリサイ クル産業を促進するためのソリューション」(2022 年) <Assess>
[5] 出典:世界自然保護基金のレポート(同上)
[6] 出典:B&Company のインタビュー調査(2023 年 12 月)
[7] 出典:世界銀行のレポート「プラスチック循環の機会、障壁」 (2021 年)
[8] 出典:IMAC Group のレポート「ベトナムのリサイクルプラスチック 市場」(2023 年)
[9] 出典:VnEconomy の記事「ベトナムは毎年 180 万トンのプラスチ ック廃棄物を排出している」(2024 年 2 月)
[10] 出典:Bao Kinh Te Do Thị の記事「プラスチック廃棄物のリサイクル 市場は持続的に発展する必要がある」(2024 年 3 月) ここ
[11] 出典:世界自然保護基金のレポート「ベトナムにおけるプラスチック 廃棄物のリサイクルを促進するための現状、解決策」(2022 年)
B&Company株式会社
続きは、以下をご参照ください。
株式会社ビーアンドカンパニー Công ty nghiên cứu thị trường của Nhật Bản đầu tiên tại Việt Nam từ nam 2008. Chúng tôi cung cấp đa dạng những dịch vụ bao gồm báo cáo ngành、phỏng vấn ngành、khảo sát người tiêu dùng、kết nối kinh doanh。 Ngoài ra, chúng tôi đã phát triển cơ sở dữ liệu của hơn 900,000 công ty tại Việt Nam, có thể được sử dụng để tìm kiếm đối tác kinh doanh và phân tích thị trường。 シン・ヴイ・ロン・リエン・ホォ・イン・ヴイ・チュン・トゥイ・ナエ・ナ・ブ・ベ・ン・コ・ベ・ト・ク・ハ・ト・ト・ク・モ・ハ・イ・ニュー・カウ・ナオ。 info@b-company.jp + (84) 28 3910 3913 |
Đọc thêm những bài phân tích khác
[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]